【インタビュー】ビジネスパーソンJAPANプロ 西川利一郎プロ

皆さん「デュアルキャリア」という言葉をご存じでしょうか。デュアルキャリアとは、アスリートとしての競技活動と社会人として働くこと、この2つのキャリアを並行して取り組むことです。
ダーツ界でも「ビジネスパーソン」と「プロダーツプレイヤー」という2つのキャリアを並行して取り組んでいるプロが複数人います。今回はその中でも、一部上場企業に勤めながらプロダーツツアーJAPAN 2019シーズンで年間ランキング10位(STAGE 17終了時点)と、上位で成績を残している西川利一郎プロにインタビュー。デュアルキャリアについて、自身が感じていることやメリットデメリットなど、さまざまなことを聞いていきたいと思います。



プロフィール
・名前    :西川利一郎(にしかわ としいちろう)
・生年月日  :1984年4月9日
・出身地   :神奈川県
・好きな数字 :88(あだ名が「はっぱ」だから)
・趣味    :ギター、テニス、バレー、バスケットボール…etc


ビジネスパーソンとプロダーツプレイヤーの両立
ー ダーツを始めたのは社会人になってからという西川プロ。仕事とプロダーツプレイヤーはどのように両立させていますか?
西川プロ:自分の勤めている会社では副業ダメなんですが、ダーツのプロは安定した収入があるわけではないので、副業に当たらないということで活動ができています。はじめてプロのライセンスを取ったときに人事に確認しまして「確定申告は必ずしてくださいね。それでしたら大丈夫ですよ」という話になりました。それで会社からもお墨付きをいただけたので両立が可能になっているという現状です。あっ……、ちゃんと確定申告してますからね!

ー 年間で18ステージ、プロツアーで全国を回られていると思いますが両立の難しさは感じていますか?
西川プロ:大きい会社なので割と他の人よりは時間を自由に使えていると思います。現状は自分で仕事の予定を立てられるので、仕事を終えたあとにダーツの時間は結構確保できています。土日休みなのでJAPANはなんとか全戦回れている感じですね。本当にダーツをがっつりやるならハードもやりたいですし、PDCやPDC Asiaなどに挑戦していきたいんですけど、そうなるとさすがに両立は厳しいと思って、ここ1~2年は手を出せていない現状になります。

両立することによるメリットはありますか?
西川プロ:自分は営業職なんですが、相手先の方がダーツをされている場合は相当スムーズに話が進みますね(笑)。あとダーツって性別や年齢、職種に限らずいろんな人とコミュニケーション取れるじゃないですか。なので、普段では絶対に知り合わないような人と会話ができて視野が広がったり、話の引き出しが増えたりなど人間力が上がりました。あと安定した仕事があるので、そういった面での不安や心配がなくダーツに集中できているのはとてもいいですね。
また、プロダーツプレイヤーはダーツバーを経営していたり、スタッフとして働いている方が多いと思うんですけど、そういう場合は開店前のお昼や閉店後の深夜に練習をすることになるんですよね。でもその時間って練習相手がなかなかいないんです。多くの人が投げてる夜の時間帯になると、今度はスタッフとしての業務があって投げられないとか。それに比べるとビジネスパーソンであればリーグに参加することもできますし、練習相手も多いので投げることに関してはしっかり時間確保できます。一時期は週5でリーグに参加していることもありました(笑)。


切っても切れない私生活とデュアルキャリア 

ー Twitterを拝見していると奥様の手厚いサポートが支えになっていると思うのですがいかがですか?
西川プロお恥ずかしいです(笑)。嫁が自由にやってるだけなんですけど、食事面でかなり助けてもらっています。結婚自体も、自分がダーツしかやっていなかったら無かったと思います。“安定した仕事をしていてプラスアルファで好きなことを頑張っている”ということで結婚を決めていただきました。
嫁はダーツに理解があるので自由にやらせてもらってますし、応援もしてもらっています。家族に理解がないとリーグなども参加できないでしょうから、ダーツってすごく難しいですよね。我が家では最近、仕事終わりにまっすぐ帰ると「ダーツしてこなくていいの?」と嫁に言われるくらいです。その代わり「大会で優勝したら『嫁のおかげです』ってちゃんと言いなさいよ」と言われてますが(笑)。

奥様の手料理がとても美味しそうな西川プロのツイート 


目指す選手像 

ー 理想とする選手像はありますか?
西川プロ:ビジネスパーソンでありながらJAPANで年間ランキング1位になったプロダーツプレイヤーは粕谷晋プロくらいだと思うのですが、粕谷プロが優勝したときに、ダーツ一本でやっている他のプロが何も言えない状況になったんですよね。なので、なりたい選手像は粕谷プロみたいな仕事もご家族もいる中でもダーツも極められるような存在です。

ー それでは最後に、今後の目標をお聞きします。
西川プロ:社会人になってから趣味としてダーツを始めるという人は多いと思います。サッカーとか野球などのメジャースポーツでは社会人から始めてプロになるって難しいですよね? でもその点ダーツって気軽に始められますし、長期的に楽しめますし、生活に溶け込むというかかなり奥深いものだなと。ダーツは“夢を諦めないでいられる、大人になってからも夢が見られる”素晴らしいスポーツだと思っているので、それを体現してビジネスパーソンプレイヤーの目標になりたいです。

全国のビジネスパーソンに夢を与えるようなお話をありがとうございました。西川プロの活躍に今後ますます注目が集まりそうです。


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